■■ 研修・講演等 ■■

 私は、自治体等の職員などを対象とした職員研修等に招かれることも少なくありません。かつては、お声が掛かれば日程の許す限り全国各地に(あるいは韓国までも)出向きました。しかし、近年では、少しでも地域社会に貢献したいと念じ、地元千葉県内を最優先にして予定を組むようにしています。
 また、さまざまなところから講演等の依頼を受けることもあります。たとえば、自治体、議会(議員)、高校、大学、専門学校、NPO、労働組合、経済団体、政党、ボランティア団体、自治会・町内会等各種地域団体などです。講演依頼については、なるべくお応えするよう務めています。

◆自治体等における研修教育


 研修の主題は、自治制度、議会制度、公務員制度といった基礎科目から、行政管理、政策評価、入札等公共契約、人事行政などの公共政策管理に関わる科目、そして個別行政領域としては消防行政、コミュニティ政策など、いろいろです。また、その対象もさまざまで、管理職、中堅職員、採用直後の新人などのいわゆる職層別研修のみならず、一般行政職員の他、議会事務局職員、学校事務職員、現業部門職員、消防職員、教員など、対象職種を限定した研修も行っています。近年では、自治体議会の議員を対象とした研修会に呼ばれることも増えてきました。議会の活性化、政務調査費、自治体合併、公の施設の管理運営などが主な主題です。いずれにせよ、具体的な内容は、企画意図をうかがい、なるべくその趣旨に合うように調整しています。
 また、最近では政策法務という言葉がずいぶん広まってきましたが、政策課題の法的、ないし制度的な解決を目指す研修に呼ばれることもあります。これは行政組織ばかりではなく、自治体職員の自主研修サークル、経済団体や労働組合、NPOあるいはボランティアグループのような市民団体等から招かれることもあります。

 私は、長く千葉県自治研修センターの非常勤講師を務めており、今も市町村の係長級職員を対象とした中堅職員研修の「地方自治制度」などを担当しています。
 千葉県自治研修センターは、2006年に千葉県市町村総合事務組合に統合再編されるまでは、自治専門校という名称で、1974年に千葉県内の全市町村によって設立された一部事務組合千葉県自治センター内に設立された職員研修機関です。中堅職員研修は、かつては複数回の宿泊研修をも含み3か月間にも及びました。県内各地から参集した受講生の相互には濃密な関係が形成され、研修終了後にはそれぞれの市町村を繋ぐ職員間のネットワークにもなりました。
 私は、その研修方式と効果を賞賛していました。しかし、経済社会情勢を反映し、自治体財政はどこも窮乏化に向かうとともに、職員数の削減が続きました。長期の研修を支える余裕は失せ、中堅職員研修も規模を大幅に縮小せざるを得なくなりました。誠に残念なことです。

 他に特別な例としては、千葉県内のある市において30代までの若手職員10数名を対象に「行政法」を断続的に7日間、合計22時間におよぶゼミナール形式で担当していました。私は法律学を専門とするわけではありませんが、この研修については企画の段階から相談に応じていました。いわゆる「行政法総論」のほぼ全領域を扱い、自治体の実務に如何に活かすかという視点から議論を進めました。当初の約束どおり、10年目の2011年度を最後に区切りをつけましたが、その経験は2012年度より新装再開しました大学院の科目「自治体研究」に活かされています。

◆講演等


 講演等の主題や形式は、依頼元の要望によりいろいろです。
 自治制度、自治体政策、分権改革、自治体契約、政策評価、行政改革、消防行政、議会改革など、自治体職員研修で求められるものと同じものばかりではなく、大学論や法政大学の紹介などが求められることもあります。

 講演を依頼する側にとって、講演料は心配でしょう。私自身、講演会を企画した経験もありますのでわかります。主催者としてはなるべく安くあげたいでしょうが、安価に過ぎると講演者の怒りを買うのではないかと心配になります。講演料の多寡は、講演者側から見て自分が依頼者にどの程度評価されているかのバロメーターにされるのではないか、などと憶測が働くことも理解できます。相場を尋ねられることもありますが、それが存在しないことを伝えると、ますます相手は不安に駆られてしまうようです。
 実は、講演料は事前に明示されない場合が非常に多くあります。有り体に言えば、いくらの仕事かわからないままに講演をお引き受けし、事後に用意されていた謝金をありがたく頂戴するということが多いのです。これは、私に限られた話ではありません。そうした慣習に異を唱え、事前に講演料に関する交渉を必ず行うという知人もいますが、善し悪しは別として、おそらくそうした人は例外に属するだろうと思います。
 講演時間は、90分間とされることが多いのですが、私の経験では30分間から3時間までの幅があります。通例、講演準備には講演時間の10倍程度の時間が最低でも必要ですが、講演時間が短い場合はさらに何倍かの時間がかかります。ただし、これはあくまでも私自身の場合です。
 私は、講演の依頼を受けると事前に情報交換の機会をなるべくもつようにしています。企画趣旨から見て的外れな講演を防ぐことが大きな狙いですが、講演時間や準備にかける時間などを相手方との相互関係から計る狙いもあります。講演料は、ゼロから数10万円に至るまで経験がありますが、その金額がゼロであっても依頼者を支援したいと思うときなどは全く不満はありませんし、講演終了後にカンパを申し出たこともあります。
 正直に告白すると、事前の話と事情が違い、準備に費やしたエネルギーに対して講演料が極端に低額なることで憤慨したことも皆無ではありません。
 その一例は、某大学の付置機関に呼ばれたときでした。何日もかけて準備した講演に対する謝金は数千円で、それも書類を何枚も書かされたうえでの後日振り込みでした。これには怒るというよりは驚き、その旨を後日主催者に伝えましたが、担当者も事情は重々承知で改善できずに困っているということでした。
 また、別の例では、某政党所属の政治家が集まる会に呼ばれたときも悲惨なものでした。事前の打ち合わせと当日の実態が全く異なり、わずかな謝金で都合良く利用された感じでした。しばらく期間をおいて、再び「講演」の要請がありましたが、丁重にお断りしたことはもちろんですが、以来、政治家からの頼まれごとには慎重になっています。